こんにちは、りもる(@xrpholdings)です。
今回はブロックチェーンスマホ「FINNEY」に興味はあるのだけれど、具体的に何がすごいの?という方むけに紹介記事を書いてみました。
目次
FINNEYスマートフォンのすごいところ5点
ユーザーエクスペリエンス(UX)
FINNEYスマホを開発しているSIRIN LABS社は、ブロックチェーン経済と一般消費者の橋渡しをすることで次世代のデジタルプラットフォームを構築することをビジョンとして掲げています。
今後、ブロックチェーンを使ったサービスのアプリ(Dapps)がどんどん出てきた場合に、Dappsを使うためには利用料としてそれぞれのサービスに対応した仮想通貨を支払う必要があるでしょう。
多数のアプリをインストールしている場合、多数の仮想通貨を取引所でいちいち購入したり、必要なトークンに交換したりする必要がありますが、それはあまりにも面倒なため、SIRIN LABS社はSRN(SIRIN LABS Token)を利用したSIRIN OSをFINNEYで提案しています。(SIRIN LABS社 CEOによるFINNEYについての日本語字幕動画↓)
SRNを持ってさえいれば、SIRIN OSが自動的にTCS(Token Conversion System)によりバックグラウンドでトークンチェンジしてくれるため、ユーザーは手間をかけずに複数のDappsを利用できるようなります。
また、SIRIN LABS社は仮想通貨の中で時価総額上位のADA(Emurgo)とパートナーシップを結んでいます。
Bancorプロトコルを用いて「ADA→SRN→Dappストアでの支払い」の流れでの支払いを実現します。Bancorは準備率と需給に基づきトークンの価格決定を瞬時に行い流動性を担保するプラットフォームです。
BancorがFINNEY上で果たす役割については以下をご参照ください。https://t.co/8mW4zy8jrs— SIRIN LABS JAPAN (@SIRINLABSJAPAN) 2018年2月20日
SRNを持っていなくても、FINNEYスマホのウォレットにADAさえあれば、ADAはSRNへ自動的かつシームレスに変換され、Dappストアでの支払いに利用できます。
このように、FINNEYは今後普及していくであろうDappsをどうすれば一般消費者が簡単に利用できるか、ユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験)を第一に設計されている点がすごいです。
コールドウォレット内蔵
次にFINNEYスマホのすごい点として挙げられるのは、仮想通貨を安全に管理できるコールドウォレット(ハードウェアウォレット)が内蔵されているところです。
2014年のMt.Gox倒産をはじめ、2018年1月に起こったコインチェックへのハッキング事件など、取引所に仮想通貨を預けておくことは危険を伴うため、自分で安全に仮想通貨を保管できるコールドウォレットの需要はますます大きくなっています。
また、将来普及が予想されるDappsが利用されるためには、常時ネット接続されるスマホで簡単かつ安全に仮想通貨を利用できるウォレットが必要です。
TREZORやLedger Nano Sなどの既存の仮想通貨用コールドウォレットを使ってみたことがある方ならよくわかると思うのですが、取引所に比べて安全なのは安全なのですが、簡単にDappsに必要なトークンへ変換したりということはまだまだ難しいです。
その点、FINNEYのコールドウォレットは、SIRIN OSによってDappsで利用されるトークンへSRNが自動変換され簡単に利用できるのに加えて、SIRIN LABSのBlcokShieldテクノロジーによって保護された解析不可領域にウォレットが組み込まれていること、またウォレットのオンオフを物理的なスイッチで管理できることから安全性も高いです。
ウォレットをオフにし忘れたとしても、使用されていない場合は自動的に物理的および電子的にネットワークから切断される仕組みになっています。
Dapps利用に向け、利便性が高く、安全なコールドウォレットが内蔵されている点がすごいです。
FINNEY Phoneのウォレットでサポート予定の仮想通貨
SRN、ADA、BTC、ETH、LTC、DASH、ZEC、XMR、XRP、STRAT、DOGE、その他主要な仮想通貨。
*ホワイトペーパー及び公開情報より— りもる@仮想通貨ブログ (@xrpholdings) 2018年6月3日
サイバーセキュリティ
仮想通貨をスマホで安全に扱うためには高いセキュリティーが要求されます。SIRIN LABSは、ハードウェアレベルからアプリケーションレベルまで多層のプロテクションによりセキュリティを確保します。
上図のBlockShieldというのが、FINNEYのセキュリティテクノロジーで、複数の保護レイヤーで構成されています。
BlockShieldは、ネットワーク攻撃、マルウェア攻撃、および物理攻撃に対抗するため、サイバーセキュリティ(IPS)エンジンを搭載しています。
IPSエンジンは、常時稼働状態(オフラインモードとフライトモード含む)で、装置全体への悪意ある行為を監視し、既知および未知の脅威と攻撃の両方をリアルタイムで動的に検出します。
IPSエンジンは、以下のような様々なサイバー攻撃や脅威に対して、デバイスを保護してくれます。
- Wi-Fiネットワーク攻撃:ARP中間者攻撃、トラフィックの改ざん、SSLストリップ、ICMPリダイレクト中間者攻撃、偽SSL証明書攻撃、不正なWi-Fiアクセスポイント
- 疑わしいベースバンド動作 :サイレントSMS、3G / 4G暗号化の予期しないダウングレードなど
- ホストベース攻撃:疑わしいAndroidパッケージ(Google Playストア、他のアプリストア、ウェブサイト、電子メール、FTP)、EOP(権限の昇格)、システム改ざん、デバイスの脱獄またはルート化
- 物理攻撃:ROM改ざん、プリロードされたアプリケーションの真正性改ざん、ハードウェア改ざん
IPSエンジンは、SIRIN LABS社のCyber-Incident Response Team(CIRT)によってバックアップされます。CIRTによる積極的な監視と分析により、デバイスのサイバーセキュリティレベルは日々向上します。
またCIRTがオンラインのサイバー脅威を調査し、FINNEYデバイスに関連するセキュリティ問題に対応してくれます。
リソース共有
FINNEYユーザーは、ユーザー間で信頼性の高い安全なP2Pリソース共有が可能です。共有できるリソースの例としては、計算能力(CPU)、ネットワーク接続、バッテリー、ストレージなどです。
例えば、あるFINNEYユーザーのバッテリー残量が少ない場合などは、他のFINNEYユーザーからエネルギーを分けてもらうことができます。
またリソースだけでなく、データ共有、例えば地元の天気、交通状況などのデジタルリソースやデバイスセンサーデータなども共有可能です。
リソースやデータの提供側は、提供料として少額の支払いをSRNなどで受け取ることが可能になります。
リソース共有の方式としては大きく分けて以下の2つが考えられています。
LocalBoost:デバイス間での直接リソース共有
CloudBoost:ネットワーク経由でのリソース共有
SIRIN LABS社は両方式のRFC(技術仕様)を公開予定です。オープンプロトコルであることから、SIRIN OSデバイスだけでなく、他のデバイスに適用すればリソース共有することが可能です。
これにより、WiFiルーターやエッジクラウドコンピューティングサービス、公共充電ステーションや他の多くのデバイスもリソースシェアリングネットワークの一部になれます。
パートナー
FINNEYスマホの開発元であるSIRIN LABS社は、有名仮想通貨プロジェクトや世界的有名人ともパートナーシップを結んでいます。
Cardano(Emurgo)
2018年2月にSIRIN LABS社はカルダノプロジェクトのEmurgoと戦略的パートナーシップを結んでいます。カルダノプロジェクトの仮想通貨ADAは仮想通貨市場で時価総額9位(2018年11月現在)の仮想通貨で、 イーサリアムのコアメンバーだったチャールズホスキンソン氏が作りました。
FINNEYはカルダノのトークンであるADAをサポート予定で、Dappsサービスなどでの利用が想定されています。
SIRIN LABS announces a strategic partnership with Emurgo.
FINNEY and SIRIN OS will support Cardano’s token, ADA. Emurgo will aid the SIRIN LABS R&D team to integrate the the Cardano protocol, which is currently being developed by Input Output HK https://t.co/i9KchkQg1m pic.twitter.com/4Hde0wDNrv
— SIRIN LABS (Not giving away ETH) (@SIRINLABS) 2018年2月14日
Enjoyed meeting with @IOHK_Charles and excited about the partnership between Sirin and Cardano.
We spoke about user experience and the effect of blockchain on politics.
Cardano is one of my favorite projects and I’m happy to support it.
Go $ADA Go $SRN Go mass market. pic.twitter.com/XJAJDwo0sF
— Moshe Hogeg (@moshehogeg) 2018年4月30日
Bancor
仮想通貨市場のトークンの流動性リスク(売りたいときに売れない)を解消することを目的とした、Bancorともパートナーシップを結んでいます。
Bancorプロジェクトは2017年のICOで開始からわずか数時間で1.53億ドル(約167億円)という記録的な資金を調達した期待のプロジェクトで、Bancor Network上では現在100以上のトークン同士の交換が可能となっています。
CMCデータから、主要なDEXの24h取引高をグラフにしてみました。Bancor, IDEX, Wavesがちょっと頭抜けてる感じですね。
ちなみに主要DEX全部足しても、取引高は一位のOKExの約100分の1でした。頑張れDEX。
24hということでブレがあるので、WeeklyかMonthlyのデータがあればいいんですがね。 pic.twitter.com/3IcwsWwKz2
— hory (@hory_BTC) 2018年5月13日
今後発展していくであろうDEX(分散型取引所)の中でも有望なプロジェクトで、進展をウォッチしておくべきものの一つです。
FINNEYスマホはSIRIN OSのTCS(Token Conversion Service)によりトークンチェンジできるだけでなく、Bancor Protocolを利用することで、クロスチェーン(例えばEOSやADAなど)でDapps利用時に必要となるトークンへ変換してくれるのではないかと予想します。
リオネル・メッシ
スペインのFCバルセロナ所属で、バロンドールを5回も受賞しているリオネル・メッシがSIRIN LABSのブランドアンバサダー(広告塔)です。
The SIRIN LABS commercial featuring Leo Messi will be filming on March 7th in Barcelona. It will begin airing later in the year, but we’ll be sure to capture plenty of behind-the-scenes photos and videos to be able to share with the community in the meantime. pic.twitter.com/lBtPvPeRcS
— SIRIN LABS (Not giving away ETH) (@SIRINLABS) 2018年2月19日
2018年3月上旬にCMの撮影を行い、FINNEYスマホ発売の12月ごろからCM放送が開始される予定です。
世界的に有名なメッシのCMが流れれば、FINNEYスマホの認知度がアップし、販売台数も増えるはずだと思います。
↓2018年11月30日にYouTubeで公開されたメッシ出演のFINNEYのCM
まとめ
今回はブロックチェーンスマホFINNEYは具体的に何がすごいのか?をざっくりですがまとめてみました。
- ユーザーエクスペリエンス(UX)
- コールドウォレット内蔵
- サイバーセキュリティ
- リソース共有
- パートナー
おそらくFINNEYを取り上げるメディアはBUZZワードであるブロックチェーン+スマホですごそうな感じを出していると思うのですが、自分みたいに初めて聞いたとき何がすごいのか全然わからないって方が多数かと思い今回の記事を書いてみました。

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